資金繰り-不動産経営は京都の中山竜也税理士事務所へ

資金繰り

資金繰りとは?

資金繰りとは、入ってくるお金(収入)と、出ていくお金(支出)の管理をして、資金の流れをコントロールすることをいいます。

「不動産経営をしても手元にお金が残らない・・・」という話をよく聞きますが、
不動産経営を始めるときに想像していたほど儲からない(お金が残らない)人が多いのはなぜでしょう?

「思ったほど儲からない・・・」という前に仕組みをちゃんと知っていますか?

主な要因

  • 借入金の返済額、支払利息が多い
  • 税金等(所得税・法人税・住民税・事業税・国民健康保険料)を多く支払っている
  • 修繕費の支出が多い
  • 家賃水準が年々下がっている
  • 入居率が悪い
  • 家賃滞納者がいる

本来であれば、不動産経営は不動産を購入・新築する前に上記のことまで考えてから始めるべきです。しかし、一生のうち何度もすることではなく、まして不動産や税金のプロでもないので将来を見通して万全の状態で購入・新築するのは難しいでしょう。

では、購入したあとではもう手遅れなのでしょうか?

それぞれの考え方や対応策を1つずつ見ていきましょう。

1、借入金の返済額、支払利息が多い

これはマンションの購入・新築の際に「家賃収入>返済金額」であれば問題ない(=お金が残る)と考えている方に多いようです。

実際に不動産経営を始めると借入金の返済以外に借入金の利息、所得税、住民税、事業税、修繕費、固定資産税などの出費も出てきます。単純に家賃収入が借入金の返済額より多ければ良いわけではありません。

こうなってしまったら対策としてまず考えられるのは、単純に収入を増やすことです。⑤、⑥にも関係しますが収益率を上げれば返済の負担は軽くなりますし、もし銀行からの借入金の金利が高い場合には借換えも含めて検討しましょう。

収入を増やす方法は≪空室対策・収入アップ≫を参照ください。
空室期間を減らすことも収入アップの1つの方法です。

2、税金等(所得税・法人税・住民税・事業税・国民健康保険料)を多く支払っている

不動産経営は税金との戦いと言われるように、税金の負担を減らすことがとても難しいものです。これは他の業種に比べて経費になるものが少ないことが原因です。

詳しくは≪節税方法≫のページをご参照ください。

3、修繕費の支出が多い

不動産の修繕費、節約できていますか?

不動産経営をするうえで、修繕費(改装費)は大きな負担となります。

入居者が変わるたびに、クロス・床の張替やハウスクリーニング、時にはキッチンやお風呂の入替えもあります。
できるだけ支出を抑えるポイントとして、今まで改装を管理会社任せにしていたなら、自分で業者を探したり、複数の改装業者から見積りをとって比較することです。


4、家賃水準が年々下がっている

一般的に築年数が経過したマンション、新しいマンションが多い地域、設備が陳腐化したマンションはこういったことが起こります。
そこで、お洒落な内装にしたり設備の入れ替えなど、入居者にとって魅力的な物件であれば、築年数が経過していてもそれほど家賃が下がることはありません。

逆に改装費や仲介会社への支払いをケチってしまい入居者を逃している方もよく見られますが、これでは本末転倒です。

5、入居率が悪い

誰でもいいから入居してほしい!という気持ちはわかりますが、「敷金・礼金なし」や「家賃を大幅に減額する」という方法に安易に走ってしまうのは危険です。

注意!

  • 銀行への返済計画が狂ってしまう
  • 入居者層が悪くなり、さらに次の入居者が決まりにくくなる
  • 敷金などを預かっていない場合、退去時に改装代がもらいにくい
  • 所得税などの納税資金が不足する

どうでしょうか?
空室があると家賃が入ってこない、近隣の目が気になる・・・気持ちは分かりますが、あとで大きな負担にならないように募集条件は決定しましょう。

6、家賃滞納者がいる

家賃の滞納者には、早い段階からの対応が必要です!

この場合、そのうち払ってくれるだろうと思っていると次のようなことが起こります。

原則として家賃滞納されていても所得税の計算上は家賃収入を計上しなければいけません。

すると・・・


  • 家賃が入ってこない
  • ところが家賃をもらってものとして所得税・住民税が計算される

と、いうようにお金が無いのにお金が出ていくというダブルパンチになってしまうため、家賃滞納があった場合には素早い対応が必要となります。

滞納初期なら、「電話や手紙で確認(うっかり忘れの場合もあるため)」→「期限を書いた催促文書を送る」→「督促状を配達証明で送る」→「明渡し訴訟をする」

最近では、入居する際に家賃保証会社への加入してもらうことを条件にしているオーナーさんもいます。
このような場合にすぐに相談できる相手を探しておくことも不動産経営をスムーズに運営するためには必要です。

最後に・・・

みなさんは会社がどのようなときに倒産するのか考えたことはありますか?

売上がなかったら倒産するのでしょうか?
いいえ、もし売上がなくても現金や預金などをたくさん持っていれば会社が倒産することはありません。

答えは、会社は現金・預金(キャッシュ)がなくなった時に倒産するのです。

たとえ満室のマンションであっても家賃滞納者ばかりだと資金繰りが悪化(キャッシュが回らない)してしまい、銀行への返済ができず破産や倒産してしまいます。

マンションが満室かどうかはたしかに大切ですが、個人的にはそれ以上に資金繰りを考える方が大切だと考えています。

資金繰りを悪化させる上記の要因は、単独で起こるときもあれば複雑に絡み合って起こることもあるため、解決するための方法を見つけるには複数の角度からアプローチすることが必要です。


  

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